2025年度
第69代理事長 田中厚
勤務先:有限会社タナカスポーツ
LOM歴 | 出向歴 | |
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2020年 | 専務理事 | |
2021年 | 地域委員会 副委員長 | 福島ブロック協議会 総務委員会 委員 |
2022年 | 地域委員会 室長 | 福島ブロック協議会 ブロック大会実行員会 委員 |
2023年 | 監事 | 福島ブロック協議会 ブロック大会実行員会 委員 |
2024年 | 副理事長 | 福島ブロック協議会 ブロック大会実行員会 委員 |
地域を支えて地域に頼らず
【はじめに】
会津青年会議所は昭和26年より、明るい豊かな社会の現実を目指し、時代に沿った様々な取り組みに挑戦した先輩方が、今日までバトンを繋いで来られました。
いまや世界は第四次産業革命の到来を目前にしています。テクノロジーの発展は目まぐるしく、人々の価値観の多様化が進んでいます。
国内に目を向けると、地方では少子高齢化、労働人口比率の減少、社会保障の増加が課題となっています。1970年代に未来予測として問題視されたこれらの課題は、現在、逃れようのない事実として無視の出来ない所まで深刻化しております。50年間の緩やかな下り坂の先に何があるのか、青年会議所は現在の立ち位置を明確にし、やるべきことへの一歩を踏み出さなければなりません。
これから先は誰かが何とかしてくれる時代ではなく、地域が、そしてそこに住む人材が、自分達の力で生きていくという気概を持つ事こそ、これからの時代を生き抜く為に重要です。そして会津にはそれを叶えるだけの可能性があると信じています。
我々が暮らす会津は、四方を山々に囲まれ、水が良く、風土が良く、歴史文化に恵まれた非常に資源豊かな地域です。グローバル化が進む中で、平均に埋もれず個性を出していく事はこれからの時代で最大の強みになると考えます。
地域資源を誇り、仲間を増やし、地域課題を共有する。その交流こそが地域発展のエネルギーになります。成長と交流の機会を創出し、地域課題に取り組む人材を輩出する事が、会津青年会議所が行う一番価値のある事だと考えます。
【会津の可能性を伸ばす】
これからの時代に求められるのはどのような人財でしょうか。
会津には豊富な資源があり、文化歴史の魅力を広く発信する事は、会津の発展に繋がります。しかしその反面、歴史ある物は形骸化しやすい場合もあり、残すべきものと変えていくべきものを常に考えねば、資源を活かしきることは出来ません。
日本と同様に労働人口が減少したヨーロッパや中国では、先んじてイノベーションに投資した事で成功例を生み出していますが、その土地の文化や風土によって取り組む内容は変わってきます。会津という地域に求められているものを見つめ直し、今ある資源の強みを更に活かすことで、会津の価値を磨くことが出来ます。
また、未来への投資として、子どもたちの健やかな成長は欠かせません。時代の変化やテクノロジーの発達は子どもたちに様々な影響を与えます。それら長短ある影響をどのように子どもたちに与え、育んでいくかは大人側の責任です。スマートフォンや通信環境の発達により、デジタルから知識を得て才能を伸ばす世代や、グローバルな視野を持つ世代も増えてきています。しかし、子どもたちの成長にとっていつの時代も変わらぬ大切な経験があります。それは、挑戦し、失敗や成功をするというアナログな体験をするということです。特に失敗してもやり直せるという気持ちを醸成することは、人間力を磨き、これからのイノベーションを起こす人材への育成に欠かせないものとなります。
地域の価値、子どもたちの価値を磨く事が、会津の可能性を伸ばす事に繋がります。
【持続可能な組織運営の構築】
青年会議所には多くの学びの機会があります。その一つが組織運営です。会議の運営や段取り、資料の作り込みは精度が高く、青年会議所内で学んだ事を外で活かせる場面は数多く訪れます。そのような組織運営を実践し学んでいく中で、これまで残してきた運用方法などを次世代の会員に引き継いで行く事もまた重要な運営要素となります。
ただ引継ぐのではなく、生産性の向上や効率化を常に図る必要があります。単純作業や面倒な作業に陥る場面は少なくなく、「なぜこの業務を行うのか」という目的意識が曖昧になると、本来の青年会議所運動の本質を見失う危険性があります。
単年度制により毎年組織が変わる団体であるからこそ、一つ一つの取り組みに対し「何のためにこの業務があるのか」に都度立ち返り、改善していく姿勢が、青年会議所としての組織運営の在り方だと思います。限られたリソースを本当に必要なところに集中できる体制作りが持続可能な組織を構築します。
【会員拡大こそ地域貢献】
国際青年会議所では「青年会議所が若きリーダーの国際的ネットワークを先導する組織となる」をビジョンとして掲げています。これを会津青年会議所に置き換えると、「会津の青年世代のネットワークを先導する」となり、地域に根付いた人材が横の繋がりを持つ事こそ、地域発展に欠かせないものと考えます。
そして、繋がりは入会だけで成せるものではありません。共に地域の課題を知り、現場の声を聴き、会員それぞれの理念や想いを共有する事で醸成されます。青年会議所運動を通じて養われた繋がりこそ、様々な技術や経験を持った人材がフラットに連携するこれからの時代において、会津を支える大きな力となります。
【顔が見える運動の発信】
青年会議所は自地域から世界までのネットワークが広がっています。また、多くの卒業された先輩方との繋がりも、現役会員にとって大きな資産であると考えます。しかし、いつどこで誰がどんな運動をしているのか、どんな学びがあるのか、知られなければ存在しない事と同じになってしまいます。また、送り出す家族や会社への理解は、言葉の説明では得られないものがあります。
SNSにより、活動や会員の見える化を行う事で、スケールメリットや活動規模を等身大で伝える事が出来ます。熱量や大変さ、楽しさをありのままに発信する事が、これからの時代では信頼に繋がり、求心力を生みます。
【人との出会いが未来を創る】
会津青年会議所は、昭和56年にむつ青年会議所、平成9年に函館青年会議所と、姉妹締結をしています。戊辰戦争とその後の開拓にて、大きな歴史的共通項を持つLOMであり、この友情が現在も続いています。歴史を過去のものとせず、互いのアイデンティティを育む大切な交流であり、道県を超えた繋がりのバトンを未来にも渡していく事で、互いのLOMと地域の矜持を高め合う事ができます。
また、青年会議所には県内や東北、全国、世界にまで繋がる出向の機会があります。出向での出会いは未来の可能性を大きく広げる機会です。私自身、これまで多くの会員と出会い、メンターに出会い、仕事が生まれ、外を知る事で会津を知る事が出来ました。様々な交流を持ち、考えに触れ、各地域の可能性を掛け合わせることで新たな価値は生まれます。変化の激しいこれからの時代を生きるためには、出向は絶好の機会となります。
【最後に】
人口ボーナス期が終わり、人口オーナス期に入ると様々な悪循環が生まれました。担い手の減少、マーケットの減少、人口流出など。一つの要素を改善しても悪循環を断ち切る事は難しいです。好循環を生むには、大きな負の連鎖とは別な場所でスタートを切る、すなわち「自分達の力で生きていく」事が必要だと捉え、所信を書かせて頂きました。
本年度、スローガンは「地域を支えて地域に頼らず」です。福沢諭吉の「国を支えて国に頼らず」をローカルに置き換えた言葉です。令和の時代においても、真理であると思います。人口オーナス期を乗り切るためのキーワードである、国際化、効率化、イノベーションなど、地方にとって「言うは易く行うは難し」な言葉が並びます。決して一人の力で成しえられるものではありません。
だからこそ、志を同じくした若者が交流を深める事は、その地域にとってその後何十年に続く財産になると考えます。30代は下積み時代、青年会議所を卒業してからこそ、今まで蒔いてきた種が身を結び、仲間たちと地域を支える。地域の資源を活かし、可能性を伸ばし、次の世代へ会津を繋ぐ。それが2025年現在、会津青年会議所が取り組むべき姿勢であると考え、一年間取り組んで参ります。
人の繋がりこそ未来を作る地域の力、
我々が率先して地域の可能性を広げよう
<基本方針及び事業計画>
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会津青年会議所全体として取り組む事業
- 会員拡大
- 公益社団法人日本青年会議所及び東北地区協議会 福島ブロック協議会への積極的な参加、支援
- 姉妹青年会議所との交流
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会津青年会議所が委員会を通して取り組む事業
- 地域課題を学び会員の意識を醸成する事業
- 新入会員の参加意識を醸成する事業
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会津青年会議所が行政、他団体と協力して行う事業
- 会津絵ろうそくまつり
- わんぱく相撲
<委員会構成>
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事務局
- 活動の発信と見える化の推進
- 会員拡大会議の運営
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ひと・まち委員会
- 会津の魅力を向上させる事業
- 青少年の健全な育成を図る事業
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総務委員会
- 全会員への情報の共有、HPの運営
- 総務、広報、資料の取りまとめ
- 作業効率化の向上を図る事業